汚い幼女先生の作品

BLOODY MECANICAL
Book
連載中
ファンタジー
2018/11/10更新
読者:76人
レビュー数:0
総合ランク:6070位
週間ランク:1901位
著:汚い幼女先生

飽く事無く、死ぬまで戦え。

 卑しい貴族も、危機感の無い軍人も、気色の悪いナメクジも、血に狂う人形も全て等しく恐るべき存在であり、平穏を心の隅で望むのならば、そしてまた痛みも不快感も許容してしまう程に何かの強い力を欲する。
羨望などと腑抜けた思想は抜け落ち、呪いとも呼べる渇望は、当然の様に負の感情と痛みを飲み込んでこそ与えられ、また手にする事が出来るのだ。
悪魔の囁き、死の誘惑ーーそれらは人間的には退化へと導き、萎縮する道徳の中で遂げた進化は、原始的な野蛮性を孕んでいた。
やがて銃を捨て、剣を忘れ、鎧をも脱いだ兵士と呼ぶには苛烈な彼等は、内に流れた高次元の脈動する血を昂らせ、叡智を嘲笑う。
嘲笑を伴う低次元の神秘に、ようやく機械仕掛けという知恵は反撃を始め、お互いに蹂躙と討滅を繰り返す。
人のあるべき姿。 資源が尽きて尚も戦う勇姿。 英雄は色よりも血を好む。
脈動する血と生暖かい油の時代が、この世界の選択であり、またそれは、世界を統べる人の選択であった。

『我々が想像していたよりも、空から落ちてきたモノは恐ろしかっただけの話しだ』
 ゲーラー学派の創始者、グレイス・ゲーラーは綴った。
天文学者は何かを秘匿したが、その正体は生物学者にも解き明かせず、それは単なる『星界の落とし子』でしかなかった。

『支配せずとも、彼等は殺し、貪り、そして喰らうだろう』
 軍事企業連合。 リベレノワール学院発足の武器工房は予見し、その血による神秘で侵された牙を持つ彼等へ、更に凶悪な武装を与えた。
最適化された彼等の武装は、これまでの兵士を超えて異質であったが、それも時間がそういうものだと解決していった。

 だからこそ、人智を超えた存在ならばより苛烈な銃を、より強力な剣を、より強固な鎧をーー血に対抗する『核』は故を分からぬ原理であり、所詮はその道理は同じであろう。
瞬間に多量の弾丸をばら撒く連装銃、機械仕掛けの振動ブレード、超硬質及び多重関節のワイヤー……多岐に渡る体躯に武装を生やす異質な過去の技術を使い、国軍の『機械兵』は帝国の『宇宙ナメクジ』に正々堂々と相対するのだ。

 ーーそう、これは単なる化け物と人形の、いわばそれだけの戦いだ。
復興を始めた世界で、置き去りの化け物達は平和へと向かうとは限らず、ならば彼等が争いを辞める理由は無い。
そして彼は痛みを超え、やがて恐怖を忘れ、必然的に逃走する事を投げ出して、この言葉を記憶の片隅から掬い、それが今の己の事を言っているのだと思い出した。
『Hello.BLOODY MECANICAL.』
血が蠢く機械仕掛けなど、当然ではないか。


レビュー

レビュー一覧


作品のURL

作者作品

作品一覧

[友達に教える]

▲ページの先頭へ戻る