作品

ディアグラム(改)
第一話「勇者」
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第一話「勇者」



幾千も太古、現在のように国の境目もない遥か遠い日の話。
栄華を誇った世は終焉を迎えようとしていた。
地に満ちた闇の気配は色濃く、生きとし生けるものはその命を枯らそうとしていた。
辛うじて生き残った少数の人類は、闇の気配が薄い大陸の中心に集結し、闇の根源である魔王へと戦いを挑もうと立ち上がった。
だが、纏わりつくような闇の気配は、その覚悟を嘲笑うかのように、彼らの体を確実に蝕み、心を病ませていった。
幾人も倒れる中、辛うじて魔物が徘徊する世界を北に進み、最北端の地で魔王へと対峙できたのは十人にも満たない数だった。
彼らは気が遠くなるほどの犠牲を払い、百を数える激戦を越え、魔王を何とか封印することに成功した。
後世の人々は彼らが手にした神秘の力を宿した武器「聖剣」の名を冠し、彼らを「聖剣の英雄」と呼んだ。

それから百年の時をかけて魔王は復活を繰り返した。
復活の鼓動が聞こえるたびに、世界は滅びに近付き、人はまた聖剣を手にして戦い続けた。
いつしか魔王の復活を阻止する者、封印を果たす者を「勇者」と呼び、第二・第三の彼ら「勇者」が現れることで世界は今も平和に続いていた。






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著:Kookcat 先生

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