甘い狼の幸せな苦悩
狼さんがくれたもの
(44頁)
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大好きな人から、大好きだと言ってもらえること。
手を繋いでもらえること。
あなたが隣にいてくれること。
抱きしめてくれること。
そのどれもが普通のことだとは、到底思えない。奇跡だと思う。
ハルがあたしを選んでくれたこと、当たり前じゃないから。
愛されてる自信はまだまだ持てないけれど、ハルの全部で伝えてくれるものを、あたしは信じてる。
あなたが隣で笑ってくれる幸せ。この幸せをハルは、同じように感じてくれてるかな……
そうだったら、こんなに嬉しいことはない。
◆
そんなこと振り返る日曜日。大きなソファの端はハルの指定席。頬杖をつきながら、うたた寝をしてる彼。
正面に座りその顔を見る短い時間は、あたしだけの秘密の時間。
起きてる時にジッと見つめるなんて、ドキドキしすぎてできない、から。
こんなに可愛いハルの寝顔を、独り占めしてる。なんて言えないから、彼には内緒のあたしの幸せ。
ハルには教えてあげないんだ。可愛い、そう言うとハルはきっと怒って、怒鳴られちゃうかもしれないし。だけどきっと、もしかしたら、すぐに笑って抱きしめてくれるかもしれない。
そんなことを考える日曜日。少しだけ意地悪なハルの笑顔と、少しだけ意地悪なハルの言葉にドキドキして。
うたた寝するハルの顔を見て、あたしはホッと一息ついて、自分の気持ちを落ち着かせてる。
振り返ってみても、今だって、大切な想いは変わらない。
そんなことを考える日常と、ハルがくれる大切なもの。
魔法みたいに心に響くそれは、いつだってあたしを暖かい気持ちにさせてくれるんだ。
大好きな人がいて、大好きだと言ってくれる。そんな奇跡が、あたしにもくるなんて。
ハルが好き。大好き。あたしはずっと、今でも恋をし続けてる。
意地悪でも恐くても、心に触れると、こんなに優しい人はいないんじゃないかと思うの。
そんな人があたしを選んでくれた大きな奇跡を、あたしはちゃんと受け止めて……
同じぐらいの幸せを、ハルも感じてくれてたのなら……
それが一番幸せ。
FIN.
→後書き*オマケ
(44頁)
著:凛梨 先生
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