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雑談
お題で小話*(`・ω・)pt2

1:猫目ルカ



お題をつないで
小話を書いてみませんか

(:例

『タイトル』
 本文

 次回『お題』


のように書いてください。

・ルール
*投稿は一回分(1000字)に収める
*タイトルにはお題を必ず入れる(お題の語句が使われていれば可)

・禁止事項
*完結しない話、日記、エッセイ、詩、俳諧、短歌のような書き方
*版権キャラの利用(二次創作物)
*改行を多く含む書き方

※その他ご意見あれば管理人・猫目ルカまでお願いいたします。

***
なくなってしまったようなので、また立てさせていただきます。
前回お題『鉄道』でしたね。
では私から始めさせていただきます^^

2009/7/26 (Sun) 06:59
≪最初へ

226:緋依ゆうひ


真琴はしゃがんだまま、大きな水槽に張りついて魚をぼんやり見ていた
その後ろをもう何組かの家族やカップルが立ち止まっては去っていく

魚の群れが輪を描いて泳ぎ
エイや鮫が我が物顔で泳ぐ
他に名前も知らない魚たちが、真琴の目の前を通りすぎる

そのどれを見ているのかわからないが、真琴はもう何時間もそうしていた

「…誠」

久し振りに真琴が口を開く
真琴の後ろにいた幼馴染みの誠は、こちらの世界に戻ってきた真琴に返事をした

「私、魚になりたい」

突拍子のない言葉に、誠は軽い溜め息をついた

「真琴知ってる?俺達は生まれる前、つまり母親のお腹の中に宿った時、ものすごい速さで生命の進化を遂げてるの」
「……何それ」
「つまり、人間の形になる前、一瞬でも魚になってんの」
「へー…」

そう言った真琴は、羨む様に水槽の中を見ていた

「私、魚じゃないから…」

真琴の目が曇る

「私の義父がね……
私をお風呂に沈めたの
凄く苦しくて、何度も何度も水を飲んで、息が出来なくて…」

突然の告白に誠は言葉を失った
それを感じ取ったかはわからないが、真琴は顎を突きだし、息継ぎをするように呼吸をした
真琴の顔に、水槽の淡い光がゆらゆらと揺れる

「きっと魚だったら…苦しくなかったよね」
「真琴…」

誠は真剣な顔のまま真琴の隣にしゃがみ、真琴を見た

「なんだ、一瞬でも魚だったんだ…じゃあ、進化なんて、しなきゃよかったな…」

そう言った真琴の瞳から、大粒の涙が零れる
それをみた誠は、真琴を正面から抱き締めた

「もし進化しなかったら…
真琴に出会えなかったし、こうして抱き締める事もできなかった…」

抱き締められたまま、真琴は相変わらず水の中を息継ぎする
誠の言葉が真琴に届いたのかは、わからない……

##ー##ー##ー##ー

即興な上、重くてすみません…

次のお題は『ゆらゆら』『水』『幼馴染み』『溺れる』のどれかでお願いします
2017/3/18 (Sat) 20:27

225:綱島響子


『屋上』
屋上でその人物を見たとき、少女は驚いた。
先程まで図書室でなんとなく眺めていた20年前の卒業アルバムに映っていた生徒会長だった生徒が当時と同じ制服姿でそこに立っていたからだ。
(歳の離れた兄弟?でも、彼が着ているのは昔の制服…。)
少女の視線に気付き、20年前の生徒会長は少女に微笑みかけた。
「やぁ。まだ帰らないのかい?」
「…あなたは、あなたは20年前の生徒会長さんですか?」
「ふふ、僕の質問にはちゃんと答えてほしかったな。
そうだね、僕は確かに20年前に卒業した…はずなんだけどどうやらここで時が止まってしまったみたいだ。」
少女は思わず生徒会長の足を確認した。
「足がある…死んでは、いないんですね?」
「幽霊に足がないなんて大昔の人が作った先入観だよ。
大丈夫、幽霊じゃない。」
そう言って生徒会長は手を差し出した。
少女が恐る恐る触れると確かにそこには人の手の温もりがあった。
「ほら、実態だってあるでしょ?…でも、僕は学校の外にもいるんだよ。成長した、38歳の僕がね。」
「どうして、いったいあなたはなんなんですか?」
少女の質問に生徒会長はクスッと笑って腕をまくると腕に書かれた数字の列を見せた。
「クローンやアンドロイドなんて存在を君は信じるかい?」
「あなたは、その類いなんですか?」
「わからない。でも、近いような気がする…僕は青春を愛しすぎた。だからまだこの場所にいたいと望んでしまった…そのあと何があったかはわからないけどそれ以来僕はここにいるんだ。」
生徒会長は少女の肩に手を置いた。
「いいかい、君はここに青春を置き去りにしてはいけない。そして、ここには来てはいけない…日が暮れるよ、もうおかえり。」
学校のチャイムが鳴り、少女はハッとした。
そこは屋上ではなく図書室で、机に置いた、20年前のアルバムを開いていた。
(夢?幻?…早く帰ろう。)
それから少女はいつものように学校を出て、最寄り駅に向かった。
その途中、反対側の道で電話をかけながら早足で歩くスーツを着た男性が目に入った。
忙しそうなその男性はどことなく、生徒会長に似ていた。
「そうか、そういう意味なんだ…置いてきてしまったのね。」
fin

次のお題は『魚』または『桜』でお願いします
2017/3/12 (Sun) 08:45

224:緋依ゆうひ


彼は鞄に猫のしっぽのキーホルダーをつけていた
それは先日、ゆいこがつけていたものと同じだった

…ああ、そういう事か

私の告白の返事もないまま、彼は私の友人と通じていたのだ

ゆいこは悪びれる様子もなく、私と友達ごっこを続ける
私はそんなゆいこの裏切りに腹を立てながらも、面倒臭いと、そのまま関係を続けた

学校の屋上の柵にもたれながら一人、購買のパンを頬張る

時折風が気持ちよく頬や項を撫でた

「…あれ、一人?」

声がして振り返れば、そこには一人の男がいた
髪の色素が薄く、瞳は茶色で、まるで異邦人の様だ

あれ、確か彼の友達だったかな…

「……」

何も答えず直ぐに奴に背を向けると、奴は私の直ぐ隣に立っていた

「あいつ、ゆいこと付き合ってるよな」

あいつ、…彼の事か

「……だったら?」
「こっから飛び降りよっかな」
「なにそれ、面白いの?」

感情なく答えると、奴は私の肩に手を置いてきた

「多分ね、よかったら一緒にどう?」
「…心中と勘違いされそうだから止めとく」

そう答えて肩に乗せられた手を払い除けると、校内へと繋ぐドアに向かった

「あいつのどこが好きなの?」

そう言われて振り返る
なんであんたに答えなきゃならないんだ…

「本当に好きなら、しれっと奪い返せば?」

奴は柵に背をもたれたまま笑顔で言った
私は一瞬考える、がしかし

「…はぁ、面倒臭ぇ」

答えながら、自分の性格に難ありだと気付く
きっとあいつらは、そんな私を最初から見抜いていたのだろう
お揃いのキーホルダーをぶら下げて、わざとささやかにアピールしたのだろう…

再び奴に背を向けた
その瞬間、心地いい風が吹く
その風は、背後から私の髪を解くように撫でた

不意に振り返る
しかし、そこに奴の姿はなかった

あいつ、誰だったっけ…

考えようとしたけれど、私はこの性分を当分治せそうになかった


ーーーーーー

何かお題から外れてしまってる感が…

次のお題➡「不可思議」もしくは「屋上」
2017/2/19 (Sun) 18:34

223:もペ


『雷』


「今日なにしたい?」

「童心にかえりたい」


ちらりと閃いて、貫いた。

ぐちゃ。

夏のうるさい日差しの下、はしゃぐ影絵の群れを眺めているだけの居心地がよい退屈を優雅にぶち壊したあなたのあどけない暴言に呆気なくささくれる。

あーあ。


「へえ、何すればいいの?」

「ありのす」

「へ?」


いまいち聞き取れなかった言葉を、頭のなかで紡ぎ直す。合間にどろりと流れ込んでくる傷心の気配にきりきりと蝉の声が突き刺さる。


「…蟻の巣?」

「うん」


短く頷き、おもむろに立ち上がる。あなたのほそい顎をすべる汗が地面に落ちて、はじけて、滲んだ。


「蟻の巣、さがそ。」

「さがそって。どうすんの?」

「砂糖」

「さ、とう。砂糖?」

「砂糖。」


頷く、短く。

言葉足らずのぎこちない会話はもどかしいような、愛らしいような。


「アリの巣の周りに砂糖まぶして、砂糖を運ぶアリを眺めるの。」

「……。」


平行しているはずの時間が、一瞬ずれた。なんて、そんな気がしただけ。夕立のあとに漂うけだるさのなかにひとり取り残された気分だ。ひどく心地よい。


「……それ、楽しいの?」

「たのしいよ」


自負にも似た確信の眼差しを向けられるのをぼんやり見つめ返す。予想もしない傷のえぐり方をするので、つい気が抜けた。


不意に笑う。

不敵に。

底冷えする悪意を覗かせて。



「どうせ後ろめたいでしょ、お互い」


ちらりと閃いて、貫いた。



次回『亜流』
もしくは、『猫』

※なんだか今回ルール違反みたいなお話になりましたが(え、これどの辺が雷?みたいな)、引き続きよろしくお願いします
2016/9/11 (Sun) 13:02

222:○ ○○


『コーヒー』



そうだな、こんな朝にはやっぱりテレビも新聞もいらないから、いつもの窓辺の席でゆったりとした音楽を聴きながら、君がいれてくれた琥珀の薫りを楽しみたい。熱々のチーズトーストが焼き上がるまで忙しそうにしている君をただ眺めて、欠伸を繰り返す。平日の朝はこれがなくっちゃ働く気にもならない。僕の目を覚ます君のコーヒー。

全部君任せで僕は待っているだけ。甘えてしまえる贅沢な時間。

今度の休みはどこかへ出掛けようか、一瞬過るけれど怠惰な僕はきっと休日は寝て過ごすだろう。

君はいつも忙しそうにしているのに、僕は君の前だとのんびりしてしまう。心からリラックスしている。

運ばれてきた焼きたてのトーストはふかふかのサクサクだ。


「いつもありがとう」
「こちらこそ」


気負わないでいられる相手がいる幸せ。

トーストを食べ終え、最後のコーヒーも飲み干した。さあ、そろそろ仕事に行かなくちゃ。いつまでも夢を見ているわけにいかないだろ。


僕が重たい鞄を抱え立ち上がると、君は僕は扉の前まで見送り笑顔でこう言う。


「ありがとうございました、まだのご来店お待ちしております」


夢の中なら「いってらっしゃい」と言ってくれるのに。現実はけっこうほろ苦いのさ。



→次のお題『雷』
2016/7/30 (Sat) 07:47

221:もペ


『線香花火』

雨の降る夜をゆく。ピンクのキリンの背に乗り、彼はしっとりとまだ濡れきらないコートから線香花火を取り出すと、そっと火を灯した。たわわに実る赤いそれを摘み取ると、火花が咲かぬ間に飲み込んだ。うっかり気管に入ると、口や鼻から、ひどいときには目や耳からも火花が飛び散るので慎重に。そうなると雨を防ぐどころではないし、なによりひどく無様だ。くしゃみを出し損なったときのようなむず痒さとやり切れなさとしばらく格闘しなければならないし。こぢんまりしているが、れっきとしたパニックだ。

どうやら上手く飲み込めたようで、頭上の雨がぴたりと止んで、正しくは彼に触れるすんでのところで止まり、彼の頭がふるふるとちいさく震えると、雨が火花のかわりに次から次へとはじけて飛んだ。

本来それは雨具のひとつだが、子どもの頃からある雨の日の遊びでもある。幼い彼はよく飲み込むのを失敗して泣いてばかりいたーーとはいえ、火花が飛び散るだけでろくに涙も流せなかったのだが。今でもその苦々しさがやけに色鮮やかに蘇る。ただ、今では不思議とどこか甘くもある。そうして彼はときどき幼い彼に会いに行くのだ。

ピンクのキリンがいい加減しびれを切らしたところで彼は我にかえった。彼の頭の周りで飛びはねる雨粒が彼女のながい首にしこたま当たっている。雨にうたれるだけでもうんざりしているのに、堪ったものではない。あわててコートを探ると、彼はようやく線香花火を切らしてしまったことに気がついた。彼女はながい首をたてに折り曲げ、しどろもどろの彼をじとりとにらみつけると、ひと息につばを吐き捨てた。

雨に濡れたようにショボくれる彼なのだった。

次回『コーヒー』
2016/7/17 (Sun) 09:15

220:てんし。


『暮れていく教室で…』

 確かに其処に在ったのは笑い声。
 確かに其処に在ったのは笑い声。
 その笑い声はいつも此方に向けられていた。
 朝の弱い太陽の中扉を開けた此方に、昼の喧騒の中教室の中心の此方に、冬にはもう薄暗くなる放課後でも此方に。
 夢現の、それでも確かにあった。本当ならば優しく刻まれるはずの此の場所で起こる様々な笑い声はもう聞こえない。
「夕方になっちゃった……」
 此方に向けられる声はなく、静まり返った教室の中にも紅い夕陽が注がれている。
 否、外は現在の時期特有の長く細い雨だったか。
「教室の中までびっちゃびちゃになってる」
 あめあめふれふれを嫌々でも口ずさみたくなるような水音を立てていつもの扉を開けた。
 静寂の中にはもう笑い声は聞こえない。
 ただ夕方の時刻を指す教室の中だけ真っ赤な夕日が床を濡らす雨に反射していた。



次回⇒「線香花火」
2016/7/12 (Tue) 11:30

219:かたかず


『悪ふざけ』

君は内輪で笑うのを隠しながら悪戯に笑う。
見返り美人の君に下駄を、カランコロン と鳴らされては
虫が寄って来ないよう 付き合ってしまう。

そんな君は 履き慣れていない下駄でお祭りへと足早に行く。
私は 少し遅れて君に引かれながらお祭りに向かう。
君の振り返る姿が印象的だから 三歩、遅れて向かう。

そんな君は分かってて 笑う。内輪で隠しながら悪戯に……
学校の陽が差し込む夕暮れに佇む 君が私を誘う。

あの時に私の心は虜になっていたんだろう……。悪戯に笑う 君を苦虫を噛み潰したような気持で三歩 遅れて向かう私だった。

次回「暮れていく教室で……」
2016/7/11 (Mon) 16:39

218:もペ


『ブロンド』

いつか幼い日の恥じらいのように、足下に伸びる影がふわりと紅を引く。やわらかな黄昏、窓から射し込む夕日がいよいよちいさく秋めいている。カチカチと、時計の針の蜜月が終わる音を聞きながら猫の舌のような寸景にうっとりする自分に急激に冷めた。うふふふ。

メリオリズムなんてほとんど暴力だわ!と、意識が高いフリをすることにいい加減ぞっとするわたしだけど、薬指を切り落とすには勇気と狂気が足りなくて、かわりにずっと伸ばしていた髪を短くした。首筋に触れる毛先の感触にいつまでも慣れない。

せっかくキレイな髪なのにもったいないなーーと。困ったように笑ってみせるあなたのその金色のまつげと、本当は心底どうでもいいニヒルな真心が狂おしいほど大好きだったけど、さほど興味はなかった。熱っぽく囁きながら瞳の奥には冷ややかな群青が沈んでいて、その色と溶け合えたらと強烈に憧れたけど、ついには白けた。盲信する心地良さを情熱だと勘違いしていただけなのだ。よかった。うっかり指切り落とさなくて。

「ーーブラウスの袖にね、あんたの髪が着いてたことがあったんだけどさ。長いときのやつ。気持ち悪くてブラウスごと燃やしたのね。そしたら、」

秒針の音を遮るように、わたしの告白にようやく口を開いたあなたは静かな声で楽しげに、初々しい秋の色に染まりながら。

「存外恋しかった。」


頭が悪いと、思った。


次回『悪ふざけ』
2016/7/10 (Sun) 08:11

216:緋依ゆうひ


若菜忍 19歳OL

仕事を終えいつもの様に一人暮らしのアパートに帰った時だった

何となく感じる違和感…

思考を巡らせ部屋を見渡すが、思い当たる節が見当たらない

鍵をテーブルに置くと、鏡の前で服を脱ぎ
いつもの様にボディチェックをする
そして部屋着に着がえ冷蔵庫から炭酸水を取り出すと、それを飲みながらテレビを付けた

何の事はない
いつもの出来事

ひと通り見たい番組を見終わり
ふと感じる違和感…

再び部屋を見渡すが、気のせいとしか思えない程何もない

その時ふと目に入ったのは、テーブルの上の鍵だった

その鍵には、出張のお土産にと同僚に貰った、小さなご当地キティのぬいぐるみがついていた

その同僚は気の弱いタイプの男性で、実はまともに話した事もなかった…

ふとソレに触れてみる

女性全員に配られた事もあり、何の疑いもなく受け取ったソレ

強く押してみると、何やら固いものが入っているようだった

忍は固唾を飲んだ

まさかと思うけど
盗聴器か何かだろうか…

少しほつれていた糸を丁寧に外す

その指が瞬間小刻みに震えた


ぬいぐるみの中綿の間から出てきたもの


それは『歯』だった―――…



*****

次は『プレゼント』

2015/1/7 (Wed) 22:34
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